女性の大将が握る繊細な鮨がオープンしたと聞いて初めて伺ったのは2014年のことである。その時は特筆するほどでも無いかなと思い、その後1年ほど伺ってなかったが最近は良くなってきているという噂をちらほら聞くようになったために再訪をすることに。
握りのおまかせで、最初はスミイカから始まった。なるほど、食べてみると赤酢がしっかりしたシャリを握ったスタイルの鮨である。前回伺った時はここまでシャリの主張はなかったなと思いながら、でもネタに絶妙にマッチしていて旨い。シャリもおおぶりでも小ぶりでもなく丁度良いぐらいである。
時折、少し酢がきついかなぁと思うこともあったが全体的には、握りはしっかりとしていてネタも丁寧さが感じられてよい。このシャリあたりは好みが別れるかもしれないと思う。実際に同行した友人はこの酢の感じが好きという人と、ちょっと苦手という人に割れていた。
握りも終盤に入り、穴子が出てきた。おまかせだと終盤に出てくることが多い穴子。どんな鮨屋でも穴子が出てくると終盤に入ったな今日のネタは何が美味しかったかなぁ。など思いを馳せ始める。ただ、この塩の穴子が絶品であった。思いを馳せる余裕などなくなる程に度肝を抜かれた。ふわふわであることはもちろん、穴子自体の甘みが塩のしょっぱさと少し強めの赤酢のシャリと絶妙なハーモニーを奏でていた。
「鮨 尚充」での雲丹もそうであるが何か一つ得意ネタがあるだけで鮨屋はぐっと雰囲気がよくなる。塩の穴子だけでも食べにこれて良かった。
ここまで食べるとかなりお腹が一杯になっているのだが、どうしても巻物を食べて締めたくなってしまう。鉄火と干瓢を追加で注文してこの日はお会計。また来たくなるような鮨屋に進化していた。
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