2015年のアドベントカレンダー「2015年行った名店 Advent Calendar 2015」の11日目の記事です。
美味しい鰻と言ったら僕の知る限りでは「かぶと」が他の店舗よりも1つも2つも頭が抜けて美味しい。初めて行った時の感動は今でも鮮明に覚えている。「こんなに美味しい鰻があるのか」と、食べ終わったあとも1週間ぐらいは余韻に浸っていたものだ。
今年伺ったのは12月9日。友人から予約が取れたと誘われたのは6月のこと。半年待ちでようやく伺えることに。店に着くなり「まーたお前ら男ばかりで来やがって!!!女連れてこないなら帰れよ!!!」かぶとの名物大将の愛嬌のある毒舌が炸裂する。みんなも「いやーすみません!!次は連れてくるから!!」と応酬する。狭い店内に10席強の座席が所狭しと並んでいる。そこが大将の鰻劇場の舞台なのである。
メニューは一応あるものの、基本的にほぼ99.9%の人はお任せだろう。「俺に任せておけば絶対間違わないから!まずいと思ったらその場で帰れ!」とこれまた大将の毒舌が。
席について早々まずは串から始まり。頭から肝、一口蒲焼き、レバーなど次々と出てくる。
また、串の途中で出てくるのが鰻の心臓。しかもさばいたばかりなので動いているのである。味とかではなく体にいいらしい。また神経毒性が少しあったり、臭みが出てしまうため噛まずに飲み込めとのこと。
お酒は女将さんなどに聞きつつおすすめを何杯か飲んでいく。どれもおいしく食が進む。写真は終盤に飲んでたどぶろく。
串も一通り食べ終わったあとに出てくるのは白焼き。塩が2種類ついてくる。少ししょっぱい細かめの塩としょっぱさは控えめの粗塩である。でも、「まずは何もつけずにそのまま鰻の風味を楽しんで!」とのことでそのまま頂く。ふわっふわの中にある弾力があり食べごたえもある。また鰻自体の香りも非常によくて噛めば噛むほど美味しさがわかる。その後は塩をつけつつ酒と一緒に食べていく。
白焼きのあとは蒲焼きである。ここで特質しておくべきなのは一緒にでてくる白米である。これがまたなんとも美味しい。ちょっと固めに炊かれ米の旨味が凝縮されたご飯である。鰻の蒲焼きをおかずにこの旨い白米をかき込む。最高である。また鰻を食べつつご飯はちょっと残し、最後にタレを掛けて食べるのである。思い出しただけでもよだれが止まらない最高の一品である。
西新宿の思い出横丁にある「カブト」で修行された大将が池袋に出したお店である。もともと某大手メーカーにいた大将。カブトの大将の鰻の串を焼くのに心打たれこの世界に入ったとのこと。はじめは新宿のカブトと同様に串だけを扱う店だったそうだがお客さんにさばけるなら白焼きとかもだしてよーと頼まれて出し始めたのがきっかけだそう。
そんな大将も3月一杯で引退。立教大学の裏手で鶏を育てるんだよ!とのこと。跡継ぎはかぶとで5年修行している藤森さん。もともとは自分で独立してお店を出したいとのことで5年前に修行に来たらしいが、よくやってくれているとのことで大将がうちの店を継がないかと持ちかけて今回の話になったそう。今の大将とは違い朗らかっぽい性格、また違った雰囲気の店になるだろう。
まだまだ若い藤森さんだが、奥さんと一緒に新しいかぶとを切り盛りしていくとのこと。次の予約は6月、4月から始まる「新生かぶと」も楽しみである。
かぶと
03-3983-8608
東京都豊島区池袋2-53-2
0コメント