実家が長崎にあるため同じ九州ということで福岡に来る機会は多い。福岡に来るたびにほぼ毎回小倉まで足を運び通う鮨屋がある。
「小倉・鮨」というだけで大半の人はわかるだろうが、「天寿し 京町店」である。
今回の旅の目的は友人の結婚式。土曜日に結婚式を終え、日曜日のランチで天寿しに行くことに。天寿しは大将の天野さん曰く、先代から受け継いだ「九州前」である。確かに出てくる握りはどれも江戸前には無いアレンジが一捻りもふた捻りが加えられている。また、醤油を控えめに塩やかぼすで味付けされている。
この日は、いい鮪が入ってねぇとトロから始まった。その後は飾り包丁が丁寧に入れられ雲丹・飛子も載せられフォトジェニックなイカ(言うまでもなく味も抜群である。)
その後も車海老に続き、前回来た時はしめ鯖だったからと小鰭を代わりにだしていただいた。あまり〆すぎずにでこれまた絶品である。カワハギの肝で和えた軍艦はクリーミーでこの日で一番美味しかった。鮪の出汁で漬けた鮪の漬けはただの漬けよりも甘く風味が生かされていてただただ感動。最後の鉄火も「うちのは海苔の風味が強いからねぇ。それに負けないぐらい鮪を入れるとこのくらいになるんだよ」と。どれをとっても一貫一貫が料理として完成されている。もはや一貫ではなく一皿と表現したくなるぐらいである。
また交わされる会話も天寿しの魅力の一つであろう。たった5席のカウンターに並んだ客は皆、食好き・食通なのである。食事が提供される1時間半、天野さんが一人のお客さんに「この間は○○に行ってきましたよ」というと、別の客からも「あ、そこの店僕もこの間行きました」と口を挟んでくる。その後はどこの最近できたどこのお店が美味しいだとか、あそこの料理の概念は面白いよね等々、話題は尽きない。
西日本で右に出る店はないであろう、最高の九州前を堪能しつつ大好きな食について会話する。本当に最高の1時間半である。
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